2012年8月11日土曜日

アーサー・ビナードさん「這っても黒豆」(前半) : とある原発の溶融貫通(メルトスルー)


passport for the future 3

「炎がないのに熱を出す 原子力パワーのふしぎ」,

passport for the future 5

「おとなしいウラン238はプルトニウムに変身!」,


passport for the future 6

「自分で自分をコントロール かしこい原子力発電」,

passport for the future 8

「放射性物質をとじこめる 原子力発電所の5つの壁」,


passport for the future 9

2012年の改訂版を出すなら『原子力発電所の5つのざる』に直していただきたい。


「地震だって平気だよ!」,

passport for the future 10

どのページを見ても吐き気がするようなことが描いてあるが,詩人としていちばん離れ業だなと思うのは「原子力の歴史」をまとめたページ。

passport for the future 2
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レントゲンが、放射線の1つであるエックス線を発見した1895年が、原子力のはじまりだ。翌年、キュリー夫人はその放射線が原子の中から飛び出してくるということをみつけ、そして1905年、アインシュタインは原子が核分裂する時にエネルギーがでるという重要な予言をした。

のちに、この予言が正しいことが証明されると、1942年にフェルミが、世界初の原子炉をつくって、ウラン原子を核分裂させることに成功した。こうした成果をもとにして研究が進められた結果、いまでは世界31カ国で原子力による電気がつくられているよ。
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これはコピーライターでなければ書けない文章。

レントゲンからキュリー婦人,アインシュタイン,フェルミを経由して1997年までまとめて,ひとつも本質,つまり核兵器について語っていない。

これは,にわとりにいっさい言及せずにたまごの歴史を語るようなもの。

つまり,原子力の歴史において,その本質は核兵器の開発と広島,長崎での使用であり,原子力発電はそのほんの一部おまけのようなものでしかない。

因みに,アインシュタインの予言とは「E=mc2」という相対性理論の要の数式。

E=エネルギー
m=核分裂の時にわずかに減る質量
c=光の速度

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