2012年9月3日月曜日

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12.09.03 ★ 朝日 9.3「汚染灰・汚泥処分場を栃木・矢板に 環境省が候補地指定」 東京電力福島第一原発事故で出た高濃度の放射性物質に汚染された焼却灰や汚泥などについて、環境省は3日、栃木県矢板市塩田の国有林を、同県内の発生分を埋める最終処分場の候補地とする方針を表明した。汚染灰・汚泥の処分先をめぐり同省が候補地を示すのは初めて。9月末までに宮城、茨城、千葉の3県でも候補地を公表する方針だ。横光克彦副大臣が3日、栃木県の福田富一知事に会って候補地を説明した。福田知事は「矢板市や地域住民に、理由などを丁寧に説明してほしい」と求めた。その後、横光副大臣は矢板市の遠藤忠市長を訪ね、協力を要請。しかし、遠藤市長は会談後の会見で「市民感情を考え、お断りしますと伝えた」と明らかにした。環境省は引き続き説得を続ける構えだ。環境省によると、県内の国有林の中から地形などを考慮して候補を絞り込み、現地調査などを経て1カ所を選んだ。候補地はなだらかな山の斜面にあり、十分な広さや地下水位が深いとみられる点など好条件がそろう。約300メートル離れた場所に民家が1軒あるが、候補地とは山頂を隔てた反対側の斜面にあり、放射能の影響はないと判断した。原発事故で飛び散った放射性物質は各地のごみ焼却施設などで濃縮され、一部では焼却灰や汚泥が処理できず、保管されたままになっている。放射性セシウムが1キロあたり8千ベクレルを超える焼却灰や汚泥は、「指定廃棄物」として国が処理に責任を持ち、1都8県で4万2千トンを超える。このうち栃木県内の分は約4450トン。下水汚泥2200トン、焼却灰910トン、稲わらなど農業系のごみ750トンなどが保管されている。今後も増える見通しで現時点で9千トンが見込まれる。新設する最終処分場は、広さ3〜4ヘクタール。重金属など有害物質を多く含む産業廃棄物などを埋めるのに使われる「遮断型」を採用する。稲わらなどを焼却する仮設焼却炉も敷地内につくる。放射性物質が地下水にしみ出さないようコンクリートで周囲を覆い、地下水などの放射線量を長期間監視する。来年度に着工し、2014年度末までに完成させる計画だ。